115E29

21歳の女性。性暴力による健康被害の検査を求めて来院した。昨晩、1人でバーに行った。隣のテーブルにいた男性グループから話しかけられ、なんとなく話をしながらカクテルを飲んでいるうちに急に意識がもうろうとし、午前2時に気が付いたときにはホテルのベッドの上にいた。状況から、意識を失っているうちに性暴力被害に遭っていたと考えられた。自宅に帰った後、母親の強い勧めで母親に付き添われて午前5時に救急外来を受診した。意識は清明。話す態度は取り乱す様子はなく落ち着いている印象で「知らない人と飲酒した自分が悪いのです」と話している。

医師の言葉として適切でないのはどれか。

「自分を責める必要はありません」
「病院に来るのは勇気がいりましたね」
「婦人科医師の診察を希望されますか」
「お辛いのによく話してくださいました」
「大したことではないので早く忘れた方がいいです」

解答: e

115E29の解説

【プロセス】
①21歳の女性
②性暴力被害
デリケートな局面であり、言葉を慎重に選ぶ必要がある。

【選択肢考察】
a 本文最後では自分を責める発言がみられる。これに対する適切な声掛けと言えよう。
b 病院を受診した患者に対する共感的、支持的発言である。
c 実際の性暴力被害について確認・対応する必要があり、産婦人科医師の診察が望まれる。もちろん、本人の希望が最優先されるため、意向を伺う。
d 性暴力被害について辛い体験を語ってくれた患者に対する共感的、支持的発言である。
e 誤り。患者本人や家族の気持ちを踏みにじる発言であり、適切でない。

正答率:99%

テーマ:性暴力にあった女性への医師の言葉

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