115E17

臨床研究におけるバイアスと交絡について誤っているのはどれか。

情報バイアスは対象者から情報を得る際に生じる。
選択バイアスは対象者の選択方法から生じる。
交絡因子は研究デザインにより調整できる。
交絡因子は原因と結果の両方に関連する。
情報バイアスは統計的手法で調整できる。

解答: e

115E17の解説

【ポイント】
喫煙者は非喫煙者に比べ肺癌になりやすい。また飲酒を好む者には喫煙者が多い。ゆえに飲酒習慣が肺癌のリスクに一見して見えてしまうが、これは喫煙という交絡因子が原因でそう見えてしまっているだけで、実際は飲酒が肺癌を引き起こしているわけではない。これを交絡バイアスを呼ぶ。

【選択肢考察】
a 質問の仕方などにより、対象者から得た情報自体にバイアスがかかっていることがある。
b 症例対照研究など対象集団を選択する際、その選び方によってバイアスが生じることがある。
c 冒頭の例のように「喫煙は交絡因子となりうる!」という事実を事前に把握しておけば、研究デザインの設定時に調整することが可能。たとえば喫煙者は研究に参加させないようなデザインを組むことで、交絡因子を除外することができる。
d 原因=飲酒、結果=肺癌、とすれば交絡因子である喫煙はその双方に関係することが分かるだろう。
e 誤り。すでに得た情報を、臨床研究終了後に統計的手法で調整しようと思ってももはや手遅れ。困難である。

正答率:57%

テーマ:臨床検査におけるバイアスと交絡について

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