115D68

61歳の男性。C型肝炎治療後の経過観察で通院している。2年前にC型慢性肝炎に対して経口薬による抗ウイルス療法を受けHCV-RNAが陰性化した。肝細胞癌発症のリスクが高いと判断された。

肝機能検査とともに定期的に行うべきなのはどれか。2つ選べ

肝生検
腹部MRI
HCV抗体測定
腹部超音波検査
腫瘍マーカー測定

解答: d,e

115D68の解説

【プロセス】
①C型肝炎治療後の経過観察
②抗ウイルス療法を受けHCV-RNAは陰性化
③肝細胞癌発症のリスクが高い
②と③は一見矛盾するように思えるかもしれない。現代では抗ウイルス療法が進歩し、ほとんどのケースでHCV-RNAを陰性化させる(Sustained Virological Response;SVR)ことが可能となった。しかし、SVR後も発癌リスクは健常人に比べ高いことが知られており、設問誘導にあるような定期検査が必要となる。

【選択肢考察】
a 侵襲が強く、定期的に行う性質の検査ではない。
b 所要時間や費用などのコストが高く、定期的に行うべき検査ではない。
c SVR後もHCV抗体は陽性が続く。そのため、測定の意義に乏しい。
d 正しい。非侵襲的かつ簡便に肝細胞癌の発見をすることができる。
e 正しい。血液検査でAFPやPIVKA-IIの測定が可能なため、ほぼ無侵襲に実施可能。

正答率:66%

テーマ:肝細胞癌発症リスクが高い患者に定期的に行う検査

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