115D62

74歳の男性。2年前に下咽頭後壁の表在癌に対して経口的粘膜下切除術を受け、その後局所再発を認めていない。喫煙歴は72歳まで15本/日を45年間。以前は飲酒ですぐ顔が赤くなったが、徐々に飲酒量が増え、前回手術までは焼酎500mL/日を飲酒していた。

この患者で経過中に重複癌を生じる可能性が最も高い部位はどれか。

口腔
喉頭
食道
十二指腸

解答: c

115D62の解説

【プロセス】
①高齢男性
②2年前に下咽頭後壁の表在癌
③長年の喫煙歴
④飲酒ですぐ顔が赤くなった
⑤飲酒歴
①~⑤いずれも癌のリスクファクターだ。特に④の飲酒時赤面体質は「フラッシャー」と呼ばれ、アルコールの分解過程であるアセトアルデヒド(発癌物質)がなかなか分解されず、体内に長期滞留し、口腔・咽頭・食道癌のリスクファクターとなることが知られている。これだけの情報では「口腔」「喉頭」「食道」のどれを選ぶか悩んでしまうかもしれないが、②より下咽頭癌に最も合併しやすい「食道」が正解となる。

正答率:89%

テーマ:下咽頭癌の術後経過中のフラッシャーで重複癌を生じる部位

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