115D55

28歳の女性。手足の痛みを主訴に来院した。小学5年生頃から運動時の手足の痛みや、暑くても汗が少ないことを感じていた。最近手足の痛みが増強して受診した。昨年の健康診断で初めて尿蛋白を指摘された。母と弟も手足の痛みを訴えているが、原因不明と言われていた。母の兄は透析を受けていたが、50歳で突然死した。身長159cm、体重55kg。脈拍64/分、整。血圧124/70mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。下背部と臀部に小型の紫紅色丘疹を認める。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)。血液生化学所見:尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。

最も疑われる疾患はどれか。

Fabry病
線維筋痛症
Alport症候群
Bartter症候群
Sjögren症候群

解答: a

115D55の解説

【プロセス】
①若年女性
②手足の痛み
③暑くても汗が少ない
④尿蛋白1+
⑤母と弟も手足の痛み・母の兄は透析&突然死(遺伝性疑い)
⑥下背部と臀部に小型の紫紅色丘疹(被角血管腫)
知らなければ難しいが、いずれもFabry病のキーワードである。なお⑤に関して、Fabry病はX染色体劣性遺伝〈XR〉であり、男性の方が重症になりやすいことが知られている。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 全身の圧痛点が出現するのが特徴的。
c X染色体優性遺伝〈XD〉することで有名な疾患。腎障害のほか、感音難聴や眼の障害(白内障など)を合併する。
d 続発性アルドステロン症を呈し、低カリウム血症とそれに付随する周期性四肢麻痺をみる。
e 乾燥症状が前面に出る。

正答率:86%

テーマ:Fabry病の診断

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