115D44

3歳の男児。発疹と咽頭痛を主訴に母親に連れられて来院した。今朝から四肢に発疹があり、午後から発熱が出現し喉が痛いと訴えている。体温37.6℃。全身状態は良好である。咽頭と扁桃に発赤を認め、扁桃は腫脹している。眼球結膜に充血を認めない。頸部リンパ節の腫脹はなく、心音と呼吸音とに異常を認めない。発疹を別に示す。

母親への説明として適切でないのはどれか。

「迅速検査を行います」
「腎炎の合併に注意が必要です」
「ペニシリン系抗菌薬を処方します」
「全例届出が必要なので保健所へ届け出ます」
「解熱して元気が回復すれば登園して構いません」

解答: d

115D44の解説

【プロセス】
①3歳児
②四肢発疹と咽頭痛・発熱
③咽頭と扁桃に発赤・扁桃は腫脹
④眼球結膜に充血なし
⑤頸部リンパ節の腫脹なし
⑥画像では四肢の一部融合傾向のある紅色小丘疹
①②からは伝染性単核球症〈IM〉や川崎病も想起されるが、④や⑤などから否定的。③⑥をあわせるに溶連菌感染による猩紅熱が考えやすい。

【選択肢考察】
a 咽頭のぬぐい液による迅速溶連菌抗原検査が可能。
b 溶連菌感染後急性糸球体腎炎〈PSAGN〉の合併が有名。
c 溶連菌に対してペニシリン系抗菌薬が有効。
d 誤り。溶連菌感染症は『感染症法』の5類であり、定点観測の対象となっている。全例届出は必要ない。
e 溶連菌感染症は特に出席停止期間が定められていない。そのため解熱して元気が回復すれば登園が可能。

正答率:88%

テーマ:猩紅熱の幼児の母親への説明

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