115D40

60歳の男性。健康診断で赤血球増多を指摘され来院した。喫煙歴は20本/日を40年間。身長172cm、体重65kg。眼瞼結膜は充血、眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球620万、Hb 19g/dL、Ht 55%、白血球8,800(桿状核好中球4%、分葉核好中球58%、好酸球2%、単球6%、リンパ球30%)、血小板57万。血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.8g/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 20U/L、ALT 18U/L、LD 220U/L(基準120〜245)、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸4.2mg/dL、エリスロポエチン4.0mlU/mL(基準4.2〜23.7)。

この患者で予想される検査所見はどれか。

PaO2低下
血清鉄増加
骨髄赤芽球低形成
網血小板比率低下
JAK2遺伝子変異陽性

解答: e

115D40の解説

【プロセス】
①赤血球増多(赤血球620万・Hb 19g/dL)
②喫煙歴
③白血球8,800
④血小板57万
⑤エリスロポエチンは正常値
①③④より汎血球増加傾向と考えられる(白血球数はそこまで華々しく上昇してはいないが、少なくとも低値ではない)。真性赤血球増加症〈PV〉を想起したい。②からは二次性赤血球増加症の可能性も考えられるが、その場合⑤が矛盾する。

【選択肢考察】
a 二次性赤血球増加症でみられる。
b 赤血球産生の材料に消費され、血清鉄は低下する。
c 骨髄赤芽球は過形成となる。
d 血小板産生が増加しており、網血小板比率は増加(ないし実際は正常のことも多い)している。少なくとも低下は考えにくい。
e 正しい。本疾患ではJAK2遺伝子変異がみられる。

正答率:89%

テーマ:真性赤血球増加症〈PV〉の検査所見

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