115D36

17歳の女子。無月経を主訴に来院した。これまでに一度も月経がなかったが、2歳上の姉も月経がないので心配していなかった。身長168cm、体重55kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧124/76mmHg。呼吸数20/分。乳房は発達している。腋毛はない。外性器は女性型で、陰毛を認めない。内診では腟は4cmの盲端で子宮腟部は認めない。右側鼠径部に径2cmの可動性のある腫瘤を触知する。

この患者にあてはまるのはどれか。

子宮はない。
性腺は卵巣である。
染色体trisomyがある。
基礎体温は二相性を示す。
男性ホルモンが欠損している。

解答: a

115D36の解説

【プロセス】
①原発性無月経
②2歳上の姉も月経がない(家族性か?)
③乳房は発達
④腋毛・陰毛を認めない
⑤外性器は女性型
⑥膣は盲端
⑦鼠径部に可動性のある腫瘤
⑥⑦からピンとくる者が多いだろう。アンドロゲン不応症が考えやすい。本疾患では染色体が46,XYであるも、アンドロゲン受容体の障害により男性ホルモン作用が発揮されず(④)、女性ホルモンが優位になるため女性化(③⑤)をみる。⑦はおそらく降下できなかった精巣であろう。

【選択肢考察】
a 正しい。子宮のほか、卵管と卵巣は存在しない。
b 性腺は精巣である。
c 染色体は46,XY。
d 卵巣がないため、基礎体温は一相性。
e 男性ホルモンの受容体異常であり、男性ホルモン自体は存在している。

正答率:81%

テーマ:アンドロゲン不応症について

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