115D34

65歳の女性。便秘を主訴に来院した。半年前から排便回数は2回/週程度であり、便の性状は兎糞様である。排便後、肛門を拭いたトイレットペーパーに赤い血液が付着することがある。腹部診察の後、直腸・肛門の診察を行うこととした。

診断のために確認する優先度が最も低いのはどれか。

痔核の有無
裂肛の有無
直腸内の腫瘍の有無
指への血液付着の有無
指に付着した便の培養結果

解答: e

115D34の解説

【プロセス】
①高齢女性
②半年前からの便秘
③兎糞様の便
④トイレットペーパーに赤い血液付着
頻度的には痔核(痛みの記載がないため内痔核が考えやすい)や裂肛が考えやすい。が、高齢者であり、下部消化管癌も見逃してはならない。昔からではなく、半年前から便秘が出現していることも癌を考えやすくさせる。

【選択肢考察】
a 上記の通り、痔核の可能性が高い。
b 上記の通り、裂肛の可能性が高い。
c 直腸癌などを想定し、確認したい。
d 「赤い血液が付着」とは患者本人の談であり、実際に色調や性状を確認したい。
e 誤り。感染性腸炎であれば、下痢をみることが多い。また、半年前からずっと感染している、というのも違和感あり。

正答率:96%

テーマ:便秘の原因判断のために確認すべきこと

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