115D33

58歳の女性。母指と前腕の皮疹を主訴に来院した。2か月前から右母指に紅色結節が出現し、2週前から手背と前腕にも同様の結節が多発してきたため受診した。水族館で飼育員として勤務している。受診時、同部位に径15mmまでの発赤を伴う結節が多発し、表面は一部びらん、痂皮を伴う。局所熱感と圧痛とを認めない。皮膚生検で類上皮細胞肉芽腫と非特異的炎症像が混在する。胞子状菌要素を認めない。生検組織片の真菌培養は陰性、小川培地で7週後に白色コロニーを形成した。手と前腕の写真を別に示す。

考えられる疾患はどれか。

丹毒
化膿性粉瘤
非結核性抗酸菌症
蜂巣炎〈蜂窩織炎〉
スポロトリコーシス

解答: c

115D33の解説

【プロセス】
①水族館で飼育員として勤務
②母指と前腕に多発する結節
③皮膚生検で類上皮細胞肉芽腫
④小川培地で7週後に白色コロニー形成
⑤画像では膿疱や痂皮を伴う紅色結節の多発
③④より抗酸菌感染を疑う。①の情報からはMycobacterium marinum感染による非結核性抗酸菌症と考えられる。②⑤の皮疹も矛盾しない。

【選択肢考察】
a 溶連菌感染による。顔面に好発し、局所熱感と圧痛とを伴う。
b 化膿性であれば局所熱感と圧痛とを伴う。
c 正しい。上記の通り。
d 黄色ブドウ球菌や溶連菌による。局所熱感と圧痛とを伴う。
e 真菌であるため、生検組織片の真菌培養が陽性となるはず。

正答率:90%

テーマ:皮膚非結核性抗酸菌症の診断

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