115D31

19歳の男性。日中の耐えがたい眠気を主訴に来院した。約3年前から日中に突然の眠気に襲われ眠り込んでしまうことがあったが、アルバイトや授業で疲れているためと思っていた。先日、大学の講義中に教員に指名され質問に答えている最中に突然の眠気に襲われ、眠り込んでしまうことがあったため、心配した教員に勧められて受診した。突然の眠気以外にも、友人との会話で爆笑した時や驚いた時に急に脱力が生じて倒れこんでしまうことがあった。また、入眠時に人の気配を感じたり、金縛りにあって体の自由が利かなくなったりしたこともあったという。神経診察で異常はなく、頭部MRIでも異常はみられなかった。特記すべき既往はない。

診断に有用な検査はどれか。

針筋電図
聴性脳幹反応
Holter心電図
ポリソムノグラフィ
ドパミントランスポーターSPECT

解答: d

115D31の解説

【プロセス】
①思春期男性
②日中の耐えがたい・突然の眠気(睡眠発作)
③情動脱力発作〈カタプレキシー〉
④入眠時幻覚
⑤金縛り(睡眠麻痺)
キーワードが揃っており、ナルコレプシーを想起しやすい。

【選択肢考察】
a 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉などの検査に有用。
b 聴神経腫瘍などの検査に有用。
c 異型狭心症や不整脈の検査に有用。
d 正しい。ナルコレプシーでは入眠直後のREM睡眠が出現することが特徴的である。
e Parkinson病やLewy小体型認知症の検査に有用。

正答率:93%

テーマ:ナルコレプシーの診断に有用な検査

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