115D26

11か月の男児。出生時に外陰部の異常を指摘されていたが、転居を契機に母親に連れられて受診した。在胎36週、出生体重2,640g、Apgarスコア7点(1分)、9点(5分)であった。体重9kg。体温36.5℃。心拍数94/分、整。SpO2 97%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左精巣は陰嚢内に触れ、右精巣は陰嚢内に触知しない。陰嚢の写真を別に示す。

家族への説明として正しいのはどれか。

「CT検査を行います」
「学童期に手術します」
「勃起障害をきたします」
「男性不妊の原因になります」
「腹圧時に陰嚢が大きくなります」

解答: d

115D26の解説

【プロセス】
①11か月の男児
②右精巣は陰嚢内に触知しない
③画像では左に比べ右陰嚢内が空虚
右停留精巣の診断。

【選択肢考察】
a CTは被曝しうる上、11か月の男児には実施困難。降下していない精巣を同定するのであれば超音波検査が有効である。
b 停留精巣は男性不妊や悪性化をきたす可能性がある疾患である。そのため、1歳ころまで様子をみて、1〜2歳ころに手術を行うのが一般的。
c 男性不妊の原因とはなるが、勃起障害はみない。
d 正しい。男性不妊と悪性化が停留精巣の主な問題点だ。
e これは鼠径ヘルニアについての説明である。

正答率:88%

テーマ:停留精巣の乳児の家族への説明

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