115D23

13歳の女子。発熱と咳嗽を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から発熱と咳嗽が出現し持続したため受診した。身長154cm、体重69kg。体温38.6℃。脈拍100/分、整。血圧116/76mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。咽頭は軽度発赤を認める。心音に異常を認めない。左側の胸部中央部にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球508万、Hb 14.3g/dL、Ht 41%、白血球5,300(好中球45%、好酸球2%、好塩基球1%、単球10%、リンパ球42%)、血小板30万。血液生化学所見:AST 22U/L、ALT 24U/L、LD 238U/L(基準120~245)。CRP 3.6mg/dL。新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉PCR検査は陰性であった。胸部エックス線写真(A)及び肺野条件の胸部CT(B)を別に示す。

次の中で最も疑う感染症はどれか。

風疹
麻疹
アスペルギルス感染症
マイコプラズマ感染症
サイトメガロウイルス感染症

解答: d

115D23の解説

【プロセス】
①若年女性
②発熱と咳嗽
③左胸部にcoarse crackles
④白血球上昇なし・CRP上昇あり
⑤胸部エックス線にて左下肺野の浸潤影
⑥胸部CTにて左下区に区域性の浸潤影
②③⑤⑥より肺炎である。①④からは非定型肺炎が考えやすい。マイコプラズマ感染症の可能性が最も高いと言える。

【選択肢考察】
a 発疹がみられることが多い。
b 発疹や口腔内のkoplik斑がみられることが多い。
c 免疫低下者にみられやすい。あるいはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症〈ABPA〉であれば好酸球増多がみられるはずである。
d 正しい。上記の通り。
e 免疫低下者にみられやすい。また、画像検査ではびまん性のスリガラス影がみられることが多い。

正答率:87%

テーマ:マイコプラズマ感染症の診断

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