115D21

11か月の男児。今朝、血便様の便があったため母親に連れられて来院した。それまで下痢や嘔吐はなく、ずっと機嫌はよい。食欲はあり水分摂取も良好である。昨日、初めてブドウ果汁入りジュースをたくさん飲んだとのことである。浣腸を行い、便性を観察したところ赤紫色の軟便であった。身長75.1cm、体重9kg。体温37.0℃。脈拍108/分、整。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。便潜血検査は陰性。腹部超音波検査で異常を認めない。

患者の家族への説明として正しいのはどれか。

「抗菌薬を処方します」
「生理食塩液の点滴をします」
「圧をかけた浣腸による整復が必要です」
「血液検査で貧血の有無を確認しましょう」
「ブドウ果汁入りジュースをやめて、明日の便を観察してください」

解答: e

115D21の解説

【プロセス】
①乳児の血便様の便
②状態はよい
③昨日初めてブドウ果汁入りジュースをたくさん飲んだ
④赤紫色の軟便
とりたてて医学部で学習するような内容ではないため戸惑った受験生もいたようだが、素直に作問者の誘導に乗れば「ブドウ果汁が便中に出てきただけ」と予想はつくだろう。

【選択肢考察】
a 細菌感染が疑われた場合の説明。
b 嘔吐や下痢がひどく脱水を呈している際の説明。
c 腸重積症を疑った際の説明。
d 出血過多による貧血を疑った際の説明。
e 正しい。正答率はほぼ100%であり、よく分からずとも何となく経過観察を選べた者が大半だったようだ。

正答率:99%

テーマ:血便様の便がみられた乳児の家族への説明

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