115D20

83歳の男性。3か月前からの左顔面痛を主訴に来院した。痛みが強い時には夜も眠れないという。顔面の発赤、腫脹はない。他の神経症状を認めない。鼻腔と咽頭の内視鏡像(A)及び副鼻腔CT(B)を別に示す。

まず行う対応として適切なのはどれか。

FDG-PET
広域抗菌薬の点滴静注
頭蓋底手術
頭部MRA
鼻腔内生検

解答: e

115D20の解説

【プロセス】
①3か月前からの左顔面痛(夜も眠れないほど痛い)
②画像Aでは鼻腔〜上咽頭におよぶ膿性鼻汁
③画像Bでは左上顎洞〜篩骨洞にかけての石灰化を伴う軟部腫瘤陰影と周囲の圧迫・破壊像
通常の慢性副鼻腔炎とはちょっと肌色が異なる。片側性であることや、石灰化・破壊像を伴うことからは、副鼻腔真菌症が考えやすい。

【選択肢考察】
a 癌の転移検索に有効。
b 細菌感染に有効。
c あまりに侵襲が高い手技であり、確定診断すらついていない現段階で「まず行う対応」としてはナンセンス。
d 血管性の病変を疑った際に有効。
e 正しい。生検組織のGrocott染色で副鼻腔真菌症の診断が可能。

正答率:78%

テーマ:副鼻腔真菌症への対応

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