115D19

58歳の男性。1か月前からの右眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右0.1(0.3×−1.0D)、左0.7(1.2×-1.0D)。眼圧は右12mmHg、左11mmHg。前眼部、中間透光体に異常を認めない。カラー眼底写真(A)、蛍光眼底写真(B)、黄斑部の光干渉断層計〈OCT〉像(C)を別に示す。

この患者に対してまず行うべき治療はどれか。

強膜内陥術
硝子体手術
光線力学的療法
抗VEGF薬硝子体注射
副腎皮質ステロイド内服

解答: d

115D19の解説

【プロセス】
①中年男性
②1か月前からの右眼の視力低下
③画像Aにて黄斑部に広がる網膜浮腫と下方の火焔状出血
④画像Bにて無灌流領域
⑤画像Cにて嚢胞様黄斑浮腫とそれによる網膜剥離
①②からは一瞬、加齢黄斑変性症も頭をよぎるが画像所見が合致しない。一番ヒントになるのは③であろう。火焔状眼底出血ときたら網膜静脈閉塞症である。本患者のケースでは分枝閉塞が疑われるため、下方に限局している。黄斑部に浮腫が及んでいるため、視力低下に至っていると考えられる。

【選択肢考察】
a 裂孔原性網膜剥離の治療。
b 硝子体出血を伴った場合などには考慮されるが、「まず行うべき治療」ではない。
c 加齢黄斑変性症に対して有効。
d 正しい。黄斑浮腫の改善に有効な治療である。
e 免疫系の疾患を背景としたぶどう膜炎などに有効。

正答率:69%

テーマ:網膜静脈分枝閉塞症(嚢胞様黄斑浮腫の合併)の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし