115C55

20歳の女性。頭髪や眉毛を抜くことを主訴に来院した。頭痛のために受診した内科で、精神科の受診を勧められ受診した。小学3年生の時から頭髪や眉毛を抜くことが癖になり、現在では頭髪はほとんどなくウィッグ(かつら)を装着している。スクールカウンセラーの面接を受けたことはあったが、社会人になって中断している。自分でも何とかしたいと思っているが、これまで精神科を受診する勇気が無かったという。食欲と睡眠の障害は認められず、日常生活に大きな支障はみられない。Hamiltonうつ病評価尺度は12点(0点~7点:正常)である。

この患者の評価に適切な検査はどれか。2つ選べ

Rorschachテスト
津守・稲毛式発達検査
前頭葉機能検査〈FAB〉
文章完成法テスト〈SCT〉
リバーミード行動記憶検査〈RBMT〉

解答: a,d

115C55の解説

【プロセス】
①若年女性
②頭髪や眉毛を抜く
③Hamiltonうつ病評価尺度は12点
①②より抜毛症の判断は容易。③は与えられた正常値を超えており気になるが、8~13点は軽症とされる。そのため、少なくとも本問ではうつ病をメインに考える必要はない。

【選択肢考察】
a 正しい。投影法に分類される性格検査。
b 対象は乳幼児であり、20歳女性には行わない。
c 文字通り、前頭葉機能の評価を行う。本患者では高次機能障害を読み取れないため、不要。
d 正しい。投影法に分類される性格検査。
e 文字通り、記憶障害を評価する検査。本患者では記憶障害が読み取れないため、不要。

正答率:74%

テーマ:抜毛症の評価に適切な検査

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