115B28

63歳の男性。病院の待合室で倒れているところを医療スタッフが発見した。患者の意識と自発呼吸はなく、頸動脈は触知できなかった。心停止状態と判断し、心肺蘇生を開始した。すぐに心電図モニターを装着し、胸骨圧迫を一時中断してモニター画面を確認すると、心拍数20/分の波形がみられた。このとき、患者の意識はないままで、頸動脈も触知できなかった。

次に行うべき処置はどれか。

気管挿管
胸骨圧迫
電気的除細動
アトロピン静注
リドカイン静注

解答: b

115B28の解説

【プロセス】
①病院の待合室で倒れていた
②意識と自発呼吸なし
③頸動脈は触知できない
④心停止状態と判断・心肺蘇生を開始
⑤心拍数20/分の波形はある
③⑤より無脈性電気活動〈PEA〉である。心肺停止状態であり、胸骨圧迫の継続が必要となる。

【選択肢考察】
a 気道確保も重要だが、それよりも胸骨圧迫が優先される。
b 正しい。上記の通り。
c PEAに除細動の適応はない。
d 薬物投与よりも胸骨圧迫が優先である。なお、心肺停止状態ではアトロピンよりもアドレナリンが用いられる。
e 心室頻拍〈VT〉や心室細動〈VF〉に有効。PEAには用いない。

正答率:88%

テーマ:頸動脈の触知ができない意識障害患者への処置

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