115A68

55歳の女性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され精査目的で来院した。2か月ほど前から物が二重に見えることを自覚していた。眼瞼下垂を認める。血中抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部造影CTを別に示す。

この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ

赤芽球癆
Cushing症候群
カルチノイド症候群
低ガンマグロブリン血症
ADH不適合分泌症候群〈SIADH〉

解答: a,d

115A68の解説

【プロセス】
①物が二重に見える・眼瞼下垂を認める・血中抗アセチルコリン受容体抗体陽性
②胸部造影CTにて前縦隔に境界鮮明で均一な腫瘤あり
②は胸腺腫であろう。①は胸腺腫に由来する重症筋無力症〈MG〉が考えやすい。

【選択肢考察】
a 正しい。胸腺腫には赤芽球癆を合併しやすい。
b 胸部領域では肺小細胞癌が異所性ACTH分泌腫瘍となりCushing症候群を呈しやすい。
c 消化管が有名だが、気管支・肺に生じる神経内分泌腫瘍によってもカルチノイド症候群が発生することがある。
d 正しい。胸腺腫には低ガンマグロブリン血症を合併しやすい。両者を合併し、免疫不全を呈する病態をGood症候群と呼ぶ。
e 胸部領域では肺小細胞癌がADH不適合分泌症候群〈SIADH〉の原因として知られる。

正答率:94%

テーマ:胸腺腫の合併症

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