115A62

42歳の初産婦(1妊0産)。妊娠36週の妊婦健康診査のため来院した。②不妊のため5年間の治療歴があり、体外受精-胚移植で妊娠に至った。妊娠初期に2絨毛膜2羊膜性双胎と診断され、以降の妊婦健康診査において異常は認めなかった。③33歳時に卵巣子宮内膜症性嚢胞に対して腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術の既往がある。身長162cm、体重66kg(非妊時58kg)。体温36.8℃。脈拍78/分、整。血圧126/74mmHg。呼吸数18/分。超音波検査所見:④推定胎児体重は先進児2,680g、後続児2,480g。⑤胎位は先進児が骨盤位、後続児が頭位だった。羊水量に明らかな異常は認めなかった。

下線部のうち経腟分娩の可否を判断する上で最も重要な情報はどれか。

解答: e

115A62の解説

【ポイント】
経膣分娩の可否を判断する情報を選ばせる問題。下線が引かれているため、選択肢考察で1つずつみていこう。

【選択肢考察】
a ①は年齢のこれまでの妊娠出産歴である。確かに40歳は超えているも、これだけで経腟分娩が不可になるわけではない。
b ②は不妊治療歴。もしこれが正解なら、一定期間の不妊治療後に体外受精-胚移植を行った妊婦は全例経腟分娩が不可となってしまい、合理的でない。
c ③は手術歴。たしかに帝王切開を過去にしたことがある妊婦は経膣分娩が推奨されないという事実がある。しかしながら本症例は腹腔鏡下の卵巣嚢胞摘出術であり、子宮にメスをいれたわけではない。そのため、問題なく経膣分娩が可能である。
d ④は児の推定体重。後続児が2,500gを若干下回っているものの、病的とは言えない。
e 正しい。⑤は児の胎位を示している。2児とも頭位の場合には問題なく経膣分娩が可能だが、先進児が骨盤位の場合にはインターロッキングなど合併症のリスクが高いことが知られ、帝王切開が推奨される。

正答率:96%

テーマ:経膣分娩の可否を判断する上で重要な情報

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