115A61

10か月の男児。無熱性けいれんを主訴に、父親に連れられて来院した。添い寝をしていたところ突然2分間の左上下肢の間代けいれんがみられたため来院した。出生時から右顔面にポートワイン様母斑を認めた。追視・固視2か月、定頸4か月、坐位保持7か月で発達の異常は指摘されていなかった。9か月時に1分間の左上下肢の間代けいれんがみられ、2週後に同様の発作があった。頭部造影MRIで、右大脳の軟膜血管腫を認めた。

この疾患でみられないのはどれか。

片麻痺
精神遅滞
てんかん
網膜色素変性
脳回に沿った石灰化

解答: d

115A61の解説

【プロセス】
①10か月の男児
②反復する無熱性けいれん(間代けいれん)
③出生時から右顔面のポートワイン様母斑
④頭部造影MRIで右大脳の軟膜血管腫
②③のキーワードが有名であろう。Sturge-Weber症候群である。本疾患に合併することがある④もできれば覚えておきたい。

【選択肢考察】
a 大脳の軟膜血管腫が原因となり、片麻痺をみる可能性がある。
b Sturge-Weber症候群は精神発達遅滞を生じる疾患である。
c 反復するけいれんからも予想がつくように、Sturge-Weber症候群ではてんかんを合併する。
d 誤り。網膜色素変性症の合併はない。Sturge-Weber症候群に合併しやすい眼病変としては、脈絡膜の血管奇形や牛眼(☞緑内障)が有名。
e 頭部CT等で脳回に沿った石灰化を認める。

正答率:68%

テーマ:Sturge-Weber症候群の合併症

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし