115A56

25歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。数か月前から腰背部痛を自覚し、2週前から咳嗽が持続したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長176cm、体重68kg。体温36.5℃。脈拍68/分、整。血圧110/72mmHg。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球456万、Hb 15.1g/dL、白血球8,300、血小板26万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.9g/dL、クレアチニン0.9mg/dL、AST 40U/L、ALT 38U/L、LD 410U/L(基準120〜245)、hCG 40mIU/mL(基準0.7以下)、α-フェトプロテイン〈AFP〉200ng/mL(基準20以下)、CEA 3.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 10U/mL(基準37以下)。胸腹部単純CTで両肺に各々4〜5個の肺腫瘤と、最大径8cmの後腹膜リンパ節腫大を認めた。

原発巣の可能性が高い臓器はどれか。

甲状腺
肝臓
脾臓
大腸
精巣

解答: e

115A56の解説

【プロセス】
①25歳の男性
②数か月前からの腰背部痛と2週前からの咳嗽
③hCGとAFP高値
④胸腹部単純CTで両肺に各々4〜5個の肺腫瘤
⑤最大径8cmの後腹膜リンパ節腫大
④は肺転移巣に思える。⑤もリンパ節転移であろう。②の症候も矛盾しない。では「原発巣はどこか?」という議論になるわけだが、①の年齢性別、③の腫瘍マーカーからは精巣腫瘍(非セミノーマ)が考えやすい。

正答率:98%

テーマ:肺と後腹膜リンパ節に転移した精巣腫瘍の診断

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