115A55

28歳の男性。両耳の耳鳴を主訴に来院した。1年前から高音の耳鳴と軽い難聴を自覚していたが、会話に支障はなかった。耳鳴が徐々に増悪してきたので受診した。小児期から現在まで耳痛、耳漏の自覚はない。片道2時間の高校・大学の通学時には、大きな音量で音楽をイヤーフォンで聴いていた。社会人になった後も、通勤時には毎日3時間はイヤーフォンで音楽を聴いている。両側の鼓膜は正常で、側頭骨CTでも異常を認めなかった。

別に示すオージオグラム(①~⑤)の中でこの患者のオージオグラムとして最も適切なのはどれか。

解答: c

115A55の解説

【プロセス】
①両側性の耳鳴と難聴
②大きな音楽で音楽をイヤーフォンで聴いていた
騒音性難聴が考えやすい。

【選択肢考察】
a ①は両側性高度感音難聴である。これほどまでの難聴であれば会話に支障が出るはずであり、「会話に支障はない」という記載に矛盾する。
b ②は2,000Hzの骨導低下(Carhart's notch)がみられ、耳硬化症が考えやすい。
c 正しい。③では4,000Hzに優位な難聴(c5 dip)がみられ、騒音性難聴が考えやすい。
d ④は両側性の低音域に優位な感音難聴がみられる。
e ⑤は正常聴力である。

正答率:98%

テーマ:騒音性難聴のオージオグラム

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