115A53

58歳の男性。空腹時血糖の高値を主訴に来院した。20年前に2型糖尿病を指摘され、15年前からインスリン自己注射を開始した。現在は超速効型ヒトインスリンを各食直前に6単位、就寝前に持効型溶解インスリンを12単位自己注射している。内服薬は服用していない。最近の自己血糖測定値を下記に示す。睡眠中に著明な発汗を伴い目覚めることがある。身長173cm、体重62kg。脈拍68/分。血圧126/82mmHg。身体所見に異常を認めない。尿所見:蛋白(−)、糖2+、ケトン体(−)。血液所見:随時血糖178mg/dL、HbA1c 6.4%(基準4.6〜6.2)。

まず行うべきなのはどれか。

夕食後の散歩
夕食時の糖質減量
明け方の血糖値の測定
スルホニル尿素薬の内服の追加
夕食前の超速効型ヒトインスリンの増量

解答: c

115A53の解説

【プロセス】
①中年男性
②空腹時血糖の高値
③2型糖尿病と診断済でインスリン自己注射中
④現在は各食直前と就寝前にインスリンを自己注射中
⑤睡眠中に著明な発汗を伴い目覚める
⑥自宅での血糖値の推移表からは確かに朝食前の血糖高値が読み取れる
⑤からは夜間の低血糖が読み取れる。インスリン治療中であり、ソモジー効果が考えやすい。同じく早朝の高血糖をきたしやすい暁現象との鑑別のため、明け方(深夜3時ころ)の血糖測定が有用である。

正答率:71%

テーマ:空腹時血糖高値の2型糖尿病患者へまず行うこと

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