76歳の女性。血圧上昇を主訴に来院した。血圧自己測定を行っていたが、最近、血圧が徐々に上昇してきており、生活習慣に気を付けても改善しないため受診した。意識は清明。身長163cm、体重51kg。体温35.9℃。脈拍86/分、整。血圧162/98mmHg。呼吸数20/分。SpO2 95%(room air)。尿所見:蛋白1+、糖(−)、潜血(−)、血液所見:赤血球343万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球3,700、血小板17万。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL。
内科外来における研修医と指導医の会話を示す。
指導医:「高齢の高血圧症の患者さんなので、若年や中年の患者さんと比べて注意すべき点もあると思います。塩分制限についてはどうですか」
研修医:「①高齢者にも減塩は有効ですが低栄養には注意が必要です」
指導医:「静脈還流量が低下した時の血圧維持が弱い可能性もありますね」
研修医:「②起立性低血圧をきたしやすい理由の一つです」
指導医:「生活上の注意点はありますか」
研修医:「③食後の低血圧に注意します」
指導医:「降圧薬の選択はどうですか」
研修医:「④サイアザイド系の利尿薬は第一選択にできません」
指導医:「アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の併用はどうですか」
研修医:「⑤推奨されません」
下線部のうち誤っているのはどれか。
正答率:37%
テーマ:高齢者の高血圧について