115A50

48歳の女性。胸やけを主訴に来院した。3か月前から胸やけが出現し、食事に気を付け経過をみていたが改善しないため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。半年前に勤務異動があり仕事が忙しくなった。意識は清明。脈拍68/分、整。血圧112/70mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像を別に示す。

考えられるのはどれか。

Barrett食道
逆流性食道炎
好酸球性食道炎
食道アカラシア
非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉

解答: e

115A50の解説

【プロセス】
①中年女性
②胸やけ
③半年前に勤務移動があり仕事が忙しくなった
④上部消化管内視鏡像にて明らかなびらんや潰瘍を指摘できない
③よりストレスを背景として発症する疾患を想定する。②からは逆流性食道炎が疑われるも、④から否定的。内視鏡検査で明らかな異常を指摘できないタイプの胸やけ(逆流症状)がみられており、非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉が最も考えやすい。

【選択肢考察】
a 逆流性食道炎などで炎症を起こした食道の扁平上皮が、胃と同じ円柱上皮で置き換えられたものをBarret食道と呼ぶ。冒頭でも述べたように本症例では逆流性食道炎は考えにくく、明らかなBarret食道も画像上指摘できない。
b 上記の通り、否定的。
c 内視鏡所見として、白斑や縦走溝、輪状溝、狭窄をみる。
d 食道内腔の拡張と残渣・液体貯留や食道粘膜面の泡沫状唾液貯留、食道下部の狭窄がみられる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:25%

テーマ:非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉の診断

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