115A42

58歳の男性。残便感を主訴に来院した。半年前から残便感を自覚し、持続するため受診した。便は兎糞状であり、排便回数は3日に1回程度である。毎回強くいきんで排便しているが、排便後も残便感が持続する。既往歴に特記すべきことはない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。直腸指診で異常を認めない。下部消化管内視鏡検査で異常を認めない。

対応として適切なのはどれか。

安静指示
抗菌薬投与
定期的な浣腸
浸透圧性下剤投与
食物繊維摂取の制限

解答: d

115A42の解説

【プロセス】
①半年前から残便感
②便は兎糞状
③排便回数は3日に1回程度
便秘症である。

【選択肢考察】
a むしろ適度な運動が望ましい。
b 細菌感染ではないため無効。
c 浣腸が有効な症例もあるため、必ずしも誤りとは言えない。しかし、薬剤の内服に比べ侵襲を伴い、習慣性や直腸穿孔といった問題点もあるため、現時点での第一選択とはなりにくい。
d 正しい。酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤を投与するのが第一選択である。
e 食物繊維の摂取はむしろ推奨したい。

正答率:62%

テーマ:慢性便秘の治療

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