115A38

11歳の男児。運動後の呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。給食後、午後1時間目の体育で持久走中に症状が出現してきた。給食の主なメニューは、パン、エビグラタン、オニオンサラダ、キウイフルーツだった。気管支喘息の既往はあるが、現在常用薬はなく、最近1年間、発作はなかったという。その他、既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。心拍数90/分。血圧96/62mmHg。呼吸数24/分。胸部聴診上、喘鳴を聴取する。腹部と下肢に紅斑と膨疹を認める。

直ちに行うべき対応として適切なのはどれか。

気道確保
ステロイド吸入
アドレナリン筋注
抗ヒスタミン薬内服
重炭酸ナトリウム静注

解答: c

115A38の解説

【プロセス】
①11歳の男児
②給食でパンとエビを食べた
③午後1時間目の体育で運動中に呼吸困難が出現
④気管支喘息の既往
⑤血圧低下・聴診で喘鳴・腹部と下肢に紅斑と膨疹
④よりアレルギー背景が想定される。⑤はショックにまでは至っていないがアナフィラキシーを考えさせる症候だ。①②③と合わせ、食物依存性運動誘発アナフィラキシーが考えやすい。

【選択肢考察】
a 現時点では意識清明で呼吸もできているため、必要ない。
b 気管支喘息の長期管理に行われる。即効性はない。
c 正しい。アナフィラキシーへの第一選択である。
d 即効性に乏しい。また皮膚症状には有効だが、呼吸困難には効果を発揮しにくい。
e 代謝性アシドーシスに対する治療である。

正答率:86%

テーマ:食物依存性運動誘発アナフィラキシーの対応

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