115A35

65歳の男性。蛇に指を咬まれたことを主訴に来院した。30分前、草刈り中に左示指をマムシに咬まれた。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。脈拍70/分、整。血圧108/80mmHg。SpO2 96%(room air)。左示指の指腹に2か所の咬傷を認め、左前腕が腫脹している。

対応として誤っているのはどれか。

抗菌薬の投与
局所の血液吸引
細胞外液の補液
抗マムシ血清の補液
自宅での経過観察の指示

解答: e

115A35の解説

【プロセス】
①30分前に左示指をマムシに咬まれた
②左前腕が腫脹
たった30分で前腕の腫脹がみられており、進行は急速だ。

【選択肢考察】
a マムシに咬まれた際に傷口から細菌が体内に侵入する恐れがある。そのため抗菌薬投与は行うべきだ。
b 咬まれた部分の近くにはマムシ毒素が多く残っている可能性が高く、血液吸引が有効。
c 冒頭にも記したように、進行は速く、もしかしたら今後ショック状態に至るかもしれない。本症例のような場合、ルートを確保し、細胞外液を補液することは一般的に行われる対応だ。
d マムシ毒素に対し、抗マムシ血清の投与が有効。
e 誤り。今後、急変も予想されるわけで、現段階で帰宅指示をすることは好ましくない。原則として入院加療となる。

正答率:93%

テーマ:マムシ咬傷への対応

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