115A33

18歳の女性。下腹部鈍痛を主訴に来院した。3か月前から腹満感が出現し、1か月前から下腹部鈍痛が出現した。初経12歳、月経周期28日型、整、持続5日間。性交経験はない。身長161cm、体重55kg。体温37.0℃。脈拍92/分、整。血圧124/74mmHg。下腹部は軽度に膨隆し、直腸指診で圧痛を伴う可動性不良な腫瘤を触知する。直腸に異常を認めない。血液生化学所見:hCG<0.5IU/L(基準1.0以下)、CEA 1.6ng/mL(基準4.9以下)、CA19-9 10U/mL(基準37以下)、CA125 418U/mL(基準35以下)、AFP 140,000ng/mL(基準20以下)。骨盤部MRIのT2強調矢状断像を別に示す。

最も考えられる疾患はどれか。

胚細胞腫瘍
扁平上皮癌
性索間質腫瘍
機能性卵巣性嚢胞
チョコレート嚢胞

解答: a

115A33の解説

【プロセス】
①若年女性
②腹満感と下腹部鈍痛
③直腸指診で圧痛を伴う可動性不良な腫瘤を触知
④CA125上昇
⑤AFPが異常高値
⑥MRIでは骨盤内を占拠する巨大な充実性腫瘍があり内部には出血・壊死・変性が散在
①②③⑥からは卵巣腫瘍が疑われる。④⑤(特に⑤)からは胚細胞腫瘍と考えられる。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 本選択肢を正解とするのであればせめてSCCの記載が本文にほしい(扁平上皮癌では腫瘍マーカーとしてSCCが高値となる)。
c エストロゲンやアンドロゲンといった性ホルモンが上昇しやすい。
d 画像では充実性腫瘍が提示されており、嚢胞形成は指摘不能。
e 月経困難症が前面に出る。またCA125の上昇はあってもAFP上昇はみられない。

正答率:89%

テーマ:胚細胞腫瘍の診断

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