115A25

4か月の男児。鼻汁と咳嗽を主訴に両親に連れられて来院した。昨日から鼻汁、咳嗽および喘鳴が出現した。在胎36週1日、2,466gで出生した。低出生体重児のためNICUに3週間入院した。3歳の兄が1週前から鼻汁を認めていた。母乳栄養で哺乳は普段と変わらない。身長64.3cm、体重7,220g。体温36.8℃。心拍数120/分。呼吸数50/分。SpO2 98%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸音は喘鳴を認めるが陥没呼吸は認めない。腹部は軽度膨隆を認める。毛細血管再充満時間の延長はない。鼻腔RSウイルス迅速検査は陽性だった。

対応として正しいのはどれか。

経過観察
抗菌薬投与
抗ウイルス薬投与
ガンマグロブリン投与
ヒト化モノクローナル抗体投与

解答: a

115A25の解説

【プロセス】
①4か月児
②鼻汁と咳嗽および喘鳴
③3歳の兄が1週前から鼻汁
④陥没呼吸なし
⑤毛細血管再充満時間の延長なし
⑥鼻腔RSウイルス迅速検査陽性
③より感染症が疑われる。①②⑥からはRSウイルス感染による急性細気管支炎が考えやすい。④⑤からは重症感なく、特に積極的な介入が必要な状況とは思えない。

【選択肢考察】
a 正しい。鼻汁吸引などの対症療法を適宜織り交ぜつつ、経過観察とする。
b 細菌感染ではないため無効。
c RSウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しない。
d 川崎病など一部の疾患に有効だが、本症例には無効。
e RSウイルス感染の予防に有効。本症例ではすでに罹患しており、無効。

正答率:90%

テーマ:急性細気管支炎への対応

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