115A23

35歳の男性。テレビを見ている時に口をもぐもぐと動かす、舌を突き出すなどの動きがみられることを、家族に指摘されたと訴えて来院した。約6か月前からその動きがみられるという。30歳ころ、幻覚妄想状態を呈して抗精神病薬を投与され、以後、服薬を継続中である。

この動きについて正しいのはどれか。

睡眠中は消失する。
抗Parkinson病薬が著効する。
抗精神病薬に特異的な副作用である。
口の動きに注意を向けさせると増悪する。
片側上下肢を投げ出すような不随意運動を伴う。

解答: a

115A23の解説

【プロセス】
①テレビを見ている時に口をもぐもぐ動かす・舌を突き出す
②5年前ころ幻覚妄想状態を呈して抗精神病薬を投与され現在も服用継続中
①は不随意運動と考えられる。②から抗精神病薬の副作用の可能性が高く、診断としては遅発性ジスキネジアが合致しやすい。

【選択肢考察】
a 正しい。睡眠中には消失する。
b 抗Parkinson病薬は一般に治療に用いられない。
c 抗精神病薬のほか、制吐薬や抗てんかん薬、抗うつ薬でも惹起される。
d 意識した際に不随意運動は減弱〜消失する。
e バリズムという不随意運動についての記載である。

正答率:36%

テーマ:遅発性ジスキネジアについて

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