115A21

35歳の男性。発熱と全身の皮疹を主訴に来院した。8年前に尋常性乾癬と診断され副腎皮質ステロイド外用薬を塗布していた。7日前から39℃台の発熱とともに、急速に紅斑が全身に拡大したため受診した。受診時紅斑上に径5mmまでの小膿疱が多発し、集簇する。地図状舌を認める。血液所見:白血球16,000(桿状核好中球15%、分葉核好中球70%、好酸球3%、単球5%、リンパ球7%)。血液生化学所見:血清アルブミン3.0g/dL。CRP 15.0mg/dL。膿疱からの細菌培養検査は陰性、真菌鏡検とTzanck試験はいずれも陰性であった。皮膚生検でKogoj海綿状膿疱を認める。体幹の写真を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

膿疱性乾癬
伝染性膿痂疹
疱疹状皮膚炎
Kaposi水痘様発疹症
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群

解答: a

115A21の解説

【プロセス】
①8年前に尋常性乾癬と診断
②39℃台の発熱とともに急速に全身に紅斑が拡大
③径5mmまでの小膿疱が多発・集簇
④地図状舌
⑤白血球とCRPが上昇
⑥膿疱からの細菌培養検査は陰性
⑦Tzanck試験は陰性
⑧皮膚生検でKogoj海綿状膿疱
⑨画像では多発・集簇する小膿疱が指摘でき、一部は膿海を形成している
115回国試で初出題となった膿疱性乾癬。本疾患は尋常性乾癬を背景として発症することが多い。典型的な臨床像であるため、症例文ごと覚えてしまおう。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 細菌感染が原因となるため、⑥が矛盾する。
c 通常発熱は伴わないため、②が矛盾する。また、皮膚生検でIgA免疫複合体の沈着が指摘されるため、⑧が矛盾する。
d アトピー性皮膚炎を背景として発症しやすい。Tzanck試験が陽性となるはずで、⑦が矛盾する。
e ブドウ球菌が原因となるため、⑥が矛盾する。

正答率:79%

テーマ:膿疱性乾癬の診断

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