115A19

63歳の男性。呼吸困難と発熱を主訴に来院した。1か月前から乾性咳嗽があり、息苦しさが出現、次第に悪化してきたため受診した。1週前から37℃台前半の発熱が続いている。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴やペット飼育歴はない。昨年、築50年の木造建築、日当たりの悪い家に転居し、初めての夏である。体温37.7℃。呼吸数24/分。SpO2 94%(room air)。胸部の聴診でわずかにfine cracklesを聴取する。胸部単純CTを別に示す。血液検査ではTrichosporon asahii特異抗体が陽性であった。

誤っているのはどれか。

入院で改善する。
LDが高値である。
IgEが高値である。
KL-6が高値である。
気管支肺胞洗浄液でリンパ球増多を認める。

解答: c

115A19の解説

【プロセス】
①呼吸困難と発熱
②乾性咳嗽
③築50年で日当たりの悪い木造建築
④初めての夏
⑤fine crackles
Trichosporon asahii特異抗体が陽性
⑦胸部単純CTでびまん性に分布する粒状影
キーワードのオンパレードであり、夏型過敏性肺炎の診断は難しくない。

【選択肢考察】
a 入院により抗原を回避すれば改善する。
b 間質性肺炎を呈するため、LDは高値となる。
c 誤り。とてもよくある引っ掛けである。過敏性肺炎はI型アレルギー機序を持たないため、IgE高値とはならない。
d 間質性肺炎を呈するため、KL-6は高値となる。
e 気管支肺胞洗浄液ではT細胞優位のリンパ球増多を認める。

正答率:92%

テーマ:過敏性肺炎について

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