115A18

1歳の男児。39℃台の発熱とおむつに膿が付着していることを主訴に母親に連れられて来院した。5か月前に39℃台の発熱が3日間持続し、自宅近くの診療所で治療を受けたことがある。尿所見:蛋白1+、沈渣に赤血球5~8/HPF、白血球30~50/HPF。血液所見:赤血球430万、Hb 12.3g/dL、Ht 38%、白血球13,800。血液生化学所見:尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL。排尿時膀胱尿道造影写真を別に示す。

考えられるのはどれか。

腎膿瘍
精巣炎
馬蹄腎
膀胱尿管逆流
尿管膀胱外開口

解答: d

115A18の解説

【プロセス】
①1歳児
②繰り返す発熱
③おむつの膿と尿検査における膿尿
④血液検査における白血球上昇
⑤排尿時膀胱尿道造影にて尿管への逆流所見
①〜③からは尿路系の先天奇形による易感染性を疑う。③④からは急性腎盂腎炎などの尿路感染が考えやすい。診断の決め手は⑤であろう。膀胱尿管逆流が背景に存在している。

【選択肢考察】
a 与えられた情報だけからは膿瘍の指摘ができない。
b 膿尿の原因とならない。
c 馬蹄腎であれば、画像にて腎長軸が腎下方で交叉するはず。与えられた画像からは腎上方で交叉していると考えられるため、馬蹄腎は否定的。
d 正しい。上記の通り。
e 造影画像で膀胱外の開口が指摘されるはずである。

正答率:98%

テーマ:膀胱尿管逆流の診断

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