114F42

38歳の女性。発熱と鼻汁を主訴に来院した。3年前に多発関節痛を主訴に総合病院を受診したところ関節リウマチと診断され、メトトレキサートによる治療が開始された。半年前から関節痛が増悪したため、抗TNF-α抗体の自己注射が開始され、症状の改善を認めた。昨夜から鼻汁が出現し、今朝から38℃台の発熱が出現したため受診した。本日、抗TNF-α抗体を自己注射する予定だったという。体温38.8℃。脈拍90/分、整。血圧148/88mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。関節の腫脹や圧痛は認めない。尿所見:蛋白(−)、潜血(−)、沈渣は赤血球1〜4/HPF、白血球1以下/HPF。

この時点での対応として最も適切なのはどれか。

抗菌薬を投与する。
ステロイドパルス療法を行う。
他の抗リウマチ薬を追加する。
メトトレキサートを増量する。
本日の抗TNF-α抗体の自己注射をしないよう指導する。

解答: e

114F42の解説

関節リウマチ〈RA〉の診断はすでについている。昨夜から感冒症状がみられており、薬剤の使用についての判断が求められている。
a 現時点で細菌感染と断定することはできず、抗菌薬の必要性についてはもう少し検査等を行ってから判断したい。
b 易感染性が悪化してしまう。
c 現在の抗リウマチ薬が不十分なためにRA自体が悪化しているわけではないため、不要。
d 現在の抗リウマチ薬が不十分なためにRA自体が悪化しているわけではないため、不要。
e 正しい。抗TNF-α抗体には免疫抑制作用があるため、自己注射を本日行ってしまうと、感冒症状が増悪する可能性が高い。

正答率:92%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉の治療中に発熱をみた患者への対応

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