114F36

36歳の経産婦(2妊1産)。破水感を主訴に来院した。これまでの妊婦健康診査で異常は指摘されていないという。妊娠37週5日、起床時に破水感を自覚し受診した。33歳時に妊娠39週3日での自然経腟分娩歴があり、児の発達に異常は認めない。体温36.9℃。脈拍84/分、整。血圧132/78mmHg。呼吸数20/分。内診にて子宮口は1cm開大、展退30%、硬度は中等度、先進部は児頭で下降度はSP+1cm。羊水の流出を認めた。胎児心拍数陣痛図に異常は認めず、陣痛発来を期待して経過観察のため入院となった。翌朝の胎児心拍数陣痛図を別に示す。

まず最初に確認すべき項目はどれか。

血圧
体温
白血球数
血清CRP値
経皮的酸素飽和度〈SpO2

解答: b

114F36の解説

陣痛のないタイミングでの羊水流出を認めていることから、前期破水である。画像では持続性頻脈がみられており、前期破水から逆行性胎内感染(絨毛膜羊膜炎など)をきたした可能性が高い。設問文の意図が分かりにくいが、選択肢の顔ぶれからは、おそらくすべて「母体の」ということと思われる(たとえば児の白血球数ではなく、母体の白血球数)。
a 妊娠高血圧症候群等を疑う節はなく、必要ない。
b 正しい。胎内感染があった場合、母体の発熱もみられる可能性が高い。
c 胎内感染にて母体の白血球数も上昇するが、これにはやや時間がかかる。体温測定の方が優先される。
d 胎内感染にて母体の血清CRP値も上昇するが、これにはやや時間がかかる。体温測定の方が優先される。
e 特に呼吸不全徴候も認めておらず、SpO2測定に有用性はない。

正答率:75%

テーマ:前期破水に伴う胎児頻脈の存在時にまず確認すべき項目

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