114E45

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

20歳の男性。医学部在籍中の2年次学生である。1週間の病院実習に初めての参加を予定しており、10か月前(1年次)に受けた抗体検査の結果を持って病院実習担当の医師に相談に来た。

既往歴:感染症の既往はないという。予防接種で発熱などの副反応が出たことはない。

生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。

家族歴:特記すべきことはない。

検査所見:10か月前の抗体検査の報告書を示す。

血中抗体価 報告書  氏名 ○○○○
測定方法 検査結果 病院実習の基準を満たす陽性 単 位
麻疹 (IgG-EIA法) 20.4 (≧16.0)
風疹 (IgG-EIA法) 10.0 (≧8.0)
水痘 (IgG-EIA法) 6.4 (≧4.0)
流行性耳下腺炎 (IgG-EIA法) 陽 性 陽 性
B型肝炎 (CLIA法) 4.8 (≧10.0) mIU/mL
結核 (IGRA)* 陰 性 陰 性
*結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法

この学生の相談の際に話す内容で適切なのはどれか。

「BCG接種が必要です」
「MRワクチンの再接種が必要です」
「帯状疱疹になる可能性が高いです」
「B型肝炎ワクチンの接種状況を教えてください」
「流行性耳下腺炎患者の診療には参加できません」

解答: d

114E45の解説

医学部の2年生。病院実習に際し、抗体検査を行ったようだ。
a IGRAは陰性であるが、これは過去のBCG接種歴と関係しない(BCG接種していようがしていまいが、真に結核感染したことない限りIGRAは陰性となる)。よって、この報告書からはBCG接種の必要性について何とも言えない。
b 麻疹(M)、風疹(R)ともに病院実習の基準を満たしており、再接種は不要。
c 水痘の抗体測定の結果は病院実習の基準を満たしており、AIDS等の易感染性背景も読み取れないため、帯状疱疹になる可能性は低い。
d 正しい。表内で唯一、B型肝炎の検査結果のみ病院実習の基準を満たしていない。
e 流行性耳下腺炎の抗体検査は陽性であり、感染しやすい状況とは言えない。

正答率:100%

テーマ:【長文1/2】抗体検査の報告書から判断する医学生に話すべき内容

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