114E46

その後の経過:相談に来た学生は医学部を卒業し、5年後に研修医として同じ大学病院で勤務を始めた。この研修医が平日に救急外来で勤務していたところ、54歳の男性が自転車の転倒による挫創のため来院した。初診患者でこの病院に受診歴はない。この研修医が創部の縫合処置を行っている最中、誤って縫合針を自分の指に刺した。研修医は創部から血を絞り出し流水で十分に洗浄すると同時に、直ちに研修医自身と患者の血液検査を行った。

外傷患者の血液検査結果が陽性だった場合、できるだけ早期に研修医に対する内服予防投与の開始が必要なのはどれか。

HIV
HBV
HCV
梅毒
HTLV-1

解答: a

114E46の解説

無事に留年も浪人もすることなく研修医になれたようだが、不幸にも針刺しをしてしまった。
a 正しい。HIVには予防内服が有効。
b HBVに対しては免疫グロブリン投与やワクチンの接種が行なわれる。予防内服はしない。
c HCVに対する特異的予防内服薬は114回出題時点で存在しない。
d △。患者が活動性の梅毒であった場合、この研修医の希望に応じてペニシリン系抗菌薬の予防内服を行うことはある。が、標準的にはRPRやTPHAによる検査で経過をみる。今回はHIVが明らかな正解であるため、こちらは選択しない。
e HTLV-1に対する特異的予防内服薬は114回出題時点で存在しない。

正答率:78%

テーマ:【長文2/2】針刺しをしてしまった研修医ができるだけ早期に内服予防投与すべき病原体

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし