114E40

65歳の男性。吐血のため救急車で搬入された。10年前からアルコール性肝障害を指摘されていたが通院していなかった。本日、夕食後に吐血をしたため、家族が救急車を要請した。意識レベルはJCS II-10。身長168cm、体重74kg。体温36.8℃。心拍数112/分、整。血圧88/68mmHg。呼吸数22/分。SpO2 95%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。皮膚は湿潤している。眼瞼結膜は貧血様で、眼球結膜に軽度の黄染を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆し波動を認める。四肢に冷汗を認める。

まず行うべきなのはどれか。

輸液
胃管留置
腹腔穿刺
AED装着
尿道カテーテル留置

解答: a

114E40の解説

アルコール性肝障害をすでに指摘されている高齢男性の吐血。肝硬変からの静脈瘤形成、そしてそこからの出血が考えやすい。
a 正しい。血圧低下がみられており、循環血液量減少性ショック疑われる。輸液がfirstとなる治療である。
b 胃内容の吸引、減圧を趣旨とする。腸閉塞などの治療である。
c 「腹部はやや膨隆し波動を認め」とあるため、肝硬変由来の腹水の存在が疑われる。そのため腹腔穿刺をすることで腹水を採取可能であるも、これは主訴である吐血への対応となっていない。
d 心停止状態の患者に行う。
e 尿閉のある場合や、ショック時に輸液の効果判定(循環の指標)のために行う。

正答率:99%

テーマ:静脈瘤破裂による出血性ショック(循環血液量減少性ショック)への対応

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