114E38

28歳の男性。一過性の意識消失のため救急車で搬入された。会社で椅子に座っていたところ、突然目の前が真っ暗になり意識を失った。目撃者によるとけいれんはなく、1分ほどで意識が元に戻ったという。心配した会社の同僚が救急車を要請した。家族歴は父親が54歳で突然死している。意識は清明。心拍数64/分、整。血圧120/70mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察で異常を認めない。心電図を別に示す。

意識消失の原因として考えられるのはどれか。

状況失神
てんかん
心室性不整脈
上室性不整脈
迷走神経反射

解答: c

114E38の解説

一過性の意識消失のため救急搬送された28歳男性。突然死の家族歴があり、心電図にてcoved型のST変化を認めるため、Brugada症候群と考える。
a 血管迷走神経反射〈VVR〉などとともに、反射性失神というカテゴリに含まれる失神。失神時には徐脈がみられ、特徴的な波形出現はない。
b けいれんはなく、1分程度で意識が戻っているため考えにくい。
c 正しい。特徴的な心電図と突然死の家族歴からBrugada症候群による心室性不整脈を考える。今回は自然停止しており意識が回復しているが、自然停止しないと突然死をきたすため植込み型除細動器の適応である。
d 上室性不整脈だけでは意識消失をきたさない。
e 学校の朝礼などで長時間の立位が続いた場合や痛み刺激、排尿・排便などで惹起されやすい。失神時には徐脈がみられ、特徴的な波形出現はない。

正答率:93%

テーマ:Brugada症候群の意識消失の原因

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