114E28

38歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠34週に激しい腹痛と性器出血のため救急車で搬入された。これまでの妊娠経過は順調であったが、妊娠33週の妊婦健康診査で両下腿の浮腫と尿蛋白、軽度の血圧上昇を指摘されていた。喫煙は、妊娠前は20本/日であったが、妊娠後は5本/日に減らしている。体温36.9℃。心拍数72/分、整。血圧170/90mmHg。腹痛のため表情は苦悶様で、腹部は膨隆しており板状に硬く、圧痛を認める。腟鏡診で少量の性器出血を認め、内診で子宮口は閉鎖している。尿蛋白2+。超音波検査で子宮底部に存在する胎盤の著明な肥厚を認める。胎児心拍数陣痛図で基線細変動の減少と遅発一過性徐脈を認める。

最も考えられるのはどれか。

切迫早産
切迫流産
前置胎盤
絨毛膜羊膜炎
常位胎盤早期剥離

解答: e

114E28の解説

妊娠後期の激しい腹痛と性器出血。妊娠高血圧症候群の背景がありそうだ。腹部の膨隆、板状硬、圧痛、胎盤の著明な肥厚、胎児心拍数陣痛図の遅発一過性徐脈などを考慮し、常位胎盤早期剥離と考える。
a 切迫早産単独で腹部の膨隆や板状硬は呈さない。
b 妊娠22週未満で定義される。
c 無痛性の出血(警告出血と呼ばれる)をみる。
d 発熱など感染症状が前面に出る。
e 正しい。上記の通り。

正答率:98%

テーマ:常位胎盤早期剥離の診断

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