114E26

42歳の女性。発熱および悪寒戦慄が出現し、ぐったりしていたため家人に連れられて来院した。昨日の夕方に悪寒戦慄を伴う発熱が出現したため受診した。咽頭痛、咳、痰および鼻汁はない。悪心、嘔吐、腹痛および下痢はなく、頻尿や排尿時痛もない。周囲に同様の症状の人はいない。小児期からアトピー性皮膚炎があり、数日前から皮膚の状態が悪化し全身に掻痒感があり掻破しているという。意識レベルはJCS I-2。体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧86/58mmHg。呼吸数28/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。両側背部の叩打痛はない。顔面、体幹部、両側上肢および両側膝の背面部で紅斑、色素沈着、鱗屑および落屑を認める。また、同部に多数の掻破痕および一部痂皮を認める。

最も適切な検査はどれか。

尿培養
血液培養
喀痰Gram染色
麻疹抗体価測定
インフルエンザ迅速検査

解答: b

114E26の解説

アトピー性皮膚炎の背景があり、掻破している中年女性。掻破部位から病原体が侵入して敗血症状態にいたっている(qSOFAは3点満点)。皮膚に多く存在する病原体としては黄色ブドウ球菌が代表的であり、これによるトキシックショック症候群〈TSS〉を呈したものと考えられる。
a 尿路感染ではないため、不要。
b 正しい。血液から黄色ブドウ球菌が検出される可能性が高い。
c 呼吸器感染ではないため不要。
d 麻疹感染は考えにくいため不要。
e インフルエンザは考えにくいため不要。

正答率:98%

テーマ:アトピー性皮膚炎に合併した感染症の検査

フォーラムへ投稿

関連トピック