114D66

73歳の女性。腰痛を主訴に来院した。1年前から腰痛があり、3か月前から次第に増強したため受診した。顔面は蒼白で眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。表在リンパ節は触知しない。尿所見:蛋白1+。血液所見:赤血球300万、Hb 8.1g/dL、白血球4,400、血小板22万。血液生化学所見:総蛋白10.1g/dL、アルブミン2.9g/dL、IgG 5,475mg/dL(基準960〜1,960)、IgA 36mg/dL(基準110〜410)、IgM 22mg/dL(基準65〜350)。総ビリルビン1.4mg/dL、AST 52U/L、ALT 45U/L、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL、血糖124mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 108mEq/L、Ca 8.8mg/dL。

診断確定のために必要な検査はどれか。2つ選べ

骨髄穿刺
Ham試験
腹部造影CT
蛋白漏出試験
血清蛋白免疫電気泳動

解答: a,e

114D66の解説

高齢女性の腰痛。貧血や腎障害、アルブミン低下と総蛋白上昇(A/G比の低下)、IgG上昇と他免疫グロブリンの抑制などから多発性骨髄腫〈MM〉を考える。
a 正しい。異型形質細胞の骨髄内増殖をみる。
b 発作性夜間ヘモグロビン尿症〈PNH〉の試験。
c 特に造影CTで描出したい対象が存在しない。また、腎障害のある高齢者に造影検査を行うと、腎機能をさらに悪化させかねない。★禁忌★
d 蛋白漏出性胃腸症の検査。
e 正しい。M蛋白を確認できる。

正答率:98%

テーマ:多発性骨髄腫〈MM〉の確定診断に必要な検査

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