114D59

65歳の女性。胸痛を主訴に来院した。1か月前から右胸痛を自覚していたが改善しないため受診した。13年前に右乳癌で手術の既往がある。30年前から建設業に従事していた。呼吸音は右下胸部で減弱、胸部の打診で右背側に濁音を認めた。胸部エックス線写真(A)、胸部造影CT(B)及びFDG-PET/CT(C)を別に示す。胸腔鏡下生検を施行した結果、カルレチニン免疫組織染色が陽性である悪性細胞を認めた。

この患者で高値を示すのはどれか。

胸水ヒアルロン酸
胸水トリグリセリド
血清α-フェトプロテイン〈AFP〉
胸水アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉
血清アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉

解答: a

114D59の解説

建築業に30年間従事していた高齢女性。画像ではA, Bにて肥厚した胸膜が、Cにて胸膜肥厚部に一致したFDG集積が、それぞれみられる。カルレチニン免疫組織染色が陽性である悪性細胞を認めたことと合わせ、胸膜中皮腫の診断となる。
a 正しい。胸膜中皮腫では胸水中のヒアルロン酸が高値となる。
b 乳び胸にて上昇する。
c 肝細胞癌などで上昇する。
d 結核性胸膜炎にて上昇する。
e サルコイドーシスにて上昇する。

正答率:98%

テーマ:胸膜中皮腫で高値を示す指標

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