114D45

50歳の男性。右下腹部痛を主訴に転院してきた。船上勤務中、7日前に右下腹部痛と発熱をきたし寄港先の病院を受診した。急性虫垂炎と診断され入院となった。絶食下で末梢静脈からの輸液と抗菌薬の点滴治療を受け、入院3日目には解熱し下腹部痛は軽減した。自宅近くでの治療を希望し当院を紹介され転院となった。意識は清明。身長173cm、体重70kg。体温36.2℃。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。腸雑音は正常である。血液所見:赤血球486万、Hb 14.8g/dL、Ht 43%、白血球6,400、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン3.2g/dL、総ビリルビン0.7mg/dL、AST 14U/L、ALT 14U/L、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。CRP 0.8mg/dL。転院後、排ガスと排便を認めた。

次に行うべきなのはどれか。

経口食開始
虫垂切除術
右半結腸切除術
膿瘍ドレナージ
外科的イレウス解除術

解答: a

114D45の解説

中年男性の右下腹部。急性虫垂炎の診断はすでについている。保存的治療により軽快し、排ガスと排便とを認めている。血液検査でもCRPが軽度高値を示す程度であり、問題はなさそうだ。
a 正しい。経口食を開始し、退院を目指す。
b すでに安定しており、手術は不要。
c すでに安定しており、手術は不要。さらに言えば、一般の虫垂炎に対して右半結腸を切除するのはやりすぎだ。
d 膿瘍形成している様子は読み取れず、したがってドレナージも不要。
e 腸閉塞している様子は読み取れず、したがってイレウス解除術も不要。

正答率:95%

テーマ:急性虫垂炎術後の対応

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