114D43

63歳の女性。頭痛と行動異常を主訴に来院した。3か月前から起床時の頭痛を自覚し、徐々に悪心を伴うようになってきたため受診した。2か月前から約束を間違える、着衣がうまくできないなどの異常に家族が気付いていたという。意識レベルはJCS I-2。脈拍68/分、整。血圧142/88mmHg。神経診察で左不全片麻痺を認める。頭部造影MRI(A)を別に示す。入院し、開頭腫瘍摘出術を施行した。病変部のH-E染色標本(B)を別に示す。

診断はどれか。

膠芽腫
髄膜腫
脳膿瘍
悪性リンパ腫
多発性硬化症

解答: a

114D43の解説

中高年女性の頭痛と行動異常。錐体路障害を思わせる左不全片麻痺もみられている。画像ではAにてring enhancementを伴う腫瘤影を、Bにて腫瘍細胞の偽柵状配列と中心部の壊死を認める。膠芽腫〈グリオブラストーマ〉の診断。
a 正しい。上記の通り。
b MRIにて内部は均一で表面も整になる。
c 発熱など炎症所見が前面に出る。また病理所見でも好中球浸潤など、膿瘍を考えさせる所見がみられる。
d MRIにて内部は均一で表面も整になる(See 112A40)。
e 時間的、空間的多発をみる。

正答率:97%

テーマ:膠芽腫の診断

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