114D41

65歳の女性。下腿浮腫を主訴に来院した。1か月前から下腿浮腫と軽度の労作時呼吸困難感があり改善しないため受診した。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧110/80mmHg。呼吸数14/分。SpO2 95%(room air)。心音は微弱で拡張早期過剰心音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。両側に著明な下腿浮腫を認める。胸部CT(A)及び右心カテーテル所見(B、C)を別に示す。

治療で選択すべきなのはどれか。

β遮断薬
コルヒチン
心膜切除術
心嚢ドレナージ
経カテーテル心室中隔焼灼術

解答: c

114D41の解説

下腿浮腫を主訴に来院した65歳女性。右心不全徴候と拡張早期過剰心音(心膜ノック音のことであろう)を聴取することから、収縮性心膜炎を考える。画像ではAにて心膜の肥厚と右胸水貯留を、BにてY谷の低下を、そしてCにてdip and plateauを認める。いずれも収縮性心膜炎に矛盾しない所見である。
a β遮断薬は主に慢性期の心不全で用いられる。
b コルヒチンは痛風やBehçet病の治療薬である。
c 正しい。固くなった心膜を切開し拡張障害を緩和させる、唯一の根治療法である。
d 心嚢ドレナージは心タンポナーデの治療法である。
e 心室中隔の肥厚を伴う肥大型心筋症に対する治療法である。

正答率:77%

テーマ:収縮性心膜炎の治療

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