114D39

1歳の男児。発熱と皮疹を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から38〜39℃の発熱が続き、今朝、母親が皮疹に気付いたという。体温39.3℃。脈拍140/分、整。受診時の患児の背部の写真を別に示す。両側眼球結膜に充血を認める。口唇に発赤を認める。両側頸部に径2cmのリンパ節を数個ずつ触知する。四肢末端に紅斑と浮腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球410万、Hb 11.7g/dL、Ht 36%、白血球13,600(桿状核好中球6%、分葉核好中球61%、単球4%、リンパ球29%)、血小板41万、フィブリノゲン860mg/dL(基準186〜355)。血液生化学所見:総蛋白6.0g/dL、アルブミン3.0g/dL、AST 240U/L、ALT 195U/L。CRP 4.2mg/dL。心エコー検査で異常所見を認めない。入院の上、標準的治療を行うこととした。

治療効果判定に使用する所見はどれか。

発熱
体幹の皮疹
眼球結膜充血
頸部リンパ節腫脹
四肢末端の紅斑・浮腫

解答: a

114D39の解説

4歳以下の幼児の発熱と皮疹。両側眼球結膜の充血、口唇の発赤、四肢末端の変化、頸部リンパ節腫脹がみられており、川崎病の診断基準をすべて満たす。炎症反応の早期終息と冠動脈瘤の予防を目標とし、免疫グロブリン療法〈IVIG〉とアスピリンの併用が標準的治療として行われる。これによっても発熱が改善しない例を不応例と呼び、さらなる治療が必要となる。ゆえに治療効果判定には発熱が使用される。

正答率:43%

テーマ:川崎病の治療効果判定に使用する所見

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