114D38

66歳の女性。1か月前からの右頬部腫脹を主訴に来院した。28年前に両側慢性副鼻腔炎に対する手術の既往がある。腫脹した右上顎の歯肉部を穿刺すると粘稠な液体が吸引された。頭部CT(A)及び頭部MRI T1強調像(B)を別に示す。

診断として最も考えられるのはどれか。

上顎洞癌
歯性上顎洞炎
副鼻腔真菌症
慢性副鼻腔炎
術後性上顎嚢胞

解答: e

114D38の解説

高齢女性の頬部腫脹。数十年前の慢性副鼻腔炎に対する手術がキーワードだ。画像では右上顎洞に嚢胞性病変が指摘可能。同部位の穿刺にて粘稠な液体が吸引されていることと合わせ、術後性上顎嚢胞の診断となる。
a 穿刺にて粘稠な液体は引けない。また、画像では不正な腫瘍像がみられるはずだ。
b う歯などに由来する炎症性変化。嚢胞は形成せず、従って粘稠な液体も吸引できない。
c 副鼻腔の真菌感染症。嚢胞は形成せず、従って粘稠な液体も吸引できない。
d 上顎洞に液体貯留することはあるも、その場合、液面形成をみる。本症例のように嚢胞の形は呈さない。
e 正しい。上記の通り。

正答率:91%

テーマ:術後性上顎嚢胞の診断

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